【弁護士解説】CBDって本当に合法なの?〜法律のプロが正しい知識を教えます〜
- はじめに
「CBDって最近よく聞くけど本当に合法なの?大麻の成分らしいけど捕まったりしない?」
最近は、CBD入りの商品が増えてきて、様々な場面で目にすることがあります。
例えば、CBDオイル入りのコーヒー、グミ、チョコレートなどの食品や、バームなどの化粧品などが発売されていて、今後も色々な商品が展開されていくことが予想されています。実店舗でも、CBD製品が安い料金で試し放題のショップや、CBDコーヒーやスムージーを提供するカフェなどがあります。
しかし、このようにCBDを目にする機会は増えたものの、これって本当に合法なんでしょうか?
「CBD商品を売っている人は自分の商品を売りたいだけだから信用できない」と考えている方もいると思うので、法律のプロである弁護士が解説します。
- CBDについての法律
CBDは、ご存知のとおり、大麻草を原料とする化合物です。
そこで、CBDが大麻を規制する法律である「大麻取締法」に違反しないのでしょうか?
- 日本で禁止されている「大麻」とは?
大麻取締法で禁止されている「大麻」には、大麻草の成熟した茎とその茎から作られる製品、さらに、大麻草の種子とその種子から作られる製品は除かれています。
文字だけだと分かりづらいのですが、以下の写真のとおりです。
これは、厚生労働省が作成している資料を抜粋したものですが、青い部分は規制対象から外れています。
【出典】厚生労働省第1回「大麻等の薬物対策のあり方検討会」(2021.1.20)資料 CBD(カンナビジオール)を含有する製品について About Cannabidiol(CBD)
分かりづらい法律の仕組みですが、大麻草という植物の茎と種子から作られた製品については、大麻取締法で規制されないことになっています。
- 日本で売られている CBD製品は基本的には日本の法律の「大麻」ではない
すると、CBD製品についても、大麻草の茎と種子から抽出されたCBDを使えば、法律が規制する「大麻」を使用したことにはならないので、合法といえます。
では、あなたが国内で買うことになるCBD製品は、大麻草の茎と種子から抽出されたものが使用されているのでしょうか?
それについては、基本的にご安心ください。
というのも、日本ではCBDの原料となる大麻を栽培できないので、輸入によって調達することになるのですが、このCBDを輸入する際には、以下の3点セットを揃える必要があります。
- 証明書:「大麻草の成熟した茎又は種子から抽出・製造された CBD 製品であること」を証明する内容の文書
- 成分分析書:輸入しようとする CBD 製品の検査結果が記載された分析書
- CBD の原材料&製造工程の写真:CBD の原材料として、大麻草の成熟した茎もしくは種のみを利用していることを証明する写真&大麻草の成熟した茎等を機器に入れている写真など
これらの3点セットを「関東信越厚生局麻薬取締部」というところにメールに添付する形で提出して、その許可を得ないとCBDの原料やCBD商品を日本に持ち込むことができません。
日本で売られているCBD商品は、これら3点セットの提出をして、麻薬取締部のチェックを経たものとなります。
そのため、日本で皆さんが買うことができるCBD商品は基本的には合法といえます。
※「基本的に」と記載した趣旨は、証明書などが偽造されている可能性があり得るからです。
もっとも、もし証明書が偽造されていて違法な部位からCBDを抽出していたとしても消費者のみなさんが罪に問われることは(違法な部位からCBDを抽出したことを知っていたという例外的な場合を除いては)考えられませんのでご安心ください。
以上から、皆さんが今後さらに目にする機会が増えるであろうCBD製品は、基本的に合法なものなので、安心してお試しください。
- おわりに
CBDが合法であるかどうかについて、ご理解いただけたでしょうか?
「CBDってよく聞くけど、あれって大麻なんでしょ?捕まらないか心配。。。」
「CBDに興味はあるんだけど、本当に大丈夫なんだろうか。販売している人は売るために色々言うだろうから信用できない・・。」
などと思っている方の法律的な不信感を少しでも拭うことができれば嬉しく思います。
今後は、分かりにくい大麻草の部位による規制が、成分による規制に変わっていくことが予想されています。
これによって、先ほど述べたCBDは「基本的に」合法というのが、全く問題なく合法ですと言えるようになりますので期待しましょう。
【出典】厚生労働省第7回「大麻等の薬物対策のあり方検討会」(2021.5.28)資料2 大麻取締法の規制の見直しについて(案)※赤線と赤丸は筆者による
では、皆さんもよいCBDライフを!!
off.connect you.